親族内承継の税務コスト
事業承継にあたり、株式の移転をする場合の手法はいくつかあります。
タダであげる贈与、お金が動く売却。
売却も、個人に売ったり、発行法人に売ったり、発行法人以外に売ったり、1つではありません。
今回は、シンプルな事例に沿って、移転手法別にかかるコスト(税金)を比較してみます。
前提
会社名:A 社
業種:輸送用機械器具製造業
直前期の総資産簿価:5億円
直前期の年間売上:4億円
直前期の税引前利益(所得金額):2,000万円
資本金(資本金等の額):1,000万円
利益剰余金(利益積立金額):2億円
従業員:20人
社長:父
副社長:子
株主:父 800株(80%)
子 200株(20%)
株価単価:相続税評価額 → 1株60,000円 株価総額 6,000万円
法人税法上の時価 → 1株130,000円 株価総額 1億3,000万円
・お父さんが持つ800株を子供に引き継がせて、子供を次期社長にしたい
業種:輸送用機械器具製造業
直前期の総資産簿価:5億円
直前期の年間売上:4億円
直前期の税引前利益(所得金額):2,000万円
資本金(資本金等の額):1,000万円
利益剰余金(利益積立金額):2億円
従業員:20人
社長:父
副社長:子
株主:父 800株(80%)
子 200株(20%)
株価単価:相続税評価額 → 1株60,000円 株価総額 6,000万円
法人税法上の時価 → 1株130,000円 株価総額 1億3,000万円
・お父さんが持つ800株を子供に引き継がせて、子供を次期社長にしたい
4つの移転手法の紹介
手法① 贈与
手法① 贈与 フェーズⅠ
手法① 贈与 フェーズⅡ
手法① 贈与 フェーズⅢ
手法② 親子間売買
手法② 親子間売買 フェーズⅠ
手法② 親子間売買 フェーズⅡ
手法② 親子間売買 フェーズⅢ
手法③ 自己株(金庫株)
手法③ 自己株(金庫株) フェーズⅠ
手法③ 自己株(金庫株) フェーズⅡ
手法③ 自己株(金庫株) フェーズⅢ
手法④ 持株会社(HD)
手法④ 持株会社(HD) フェーズⅠ
手法④ 持株会社(HD) フェーズⅡ
手法④ 持株会社(HD) フェーズⅢ
手法④ 持株会社(HD) フェーズⅣ
納税額のまとめ(収支の比較)
こちらの表が、①~④までの手法にかかる最終的なお金の収支をまとめた表になります。
なお、分かりやすくするため、かなりザックリとした計算をしておりますのでご留意ください。
一番下の「合計・(納税額)」と書いてある金額が、それぞれの手法を用いたときにかかる納税額(コスト)となります。
今回の事例紹介で私が最も言いたかったことは、スタートとゴールは同じでも、そこまでにどの道を通るかによって、かかる税金(コスト)が結構変わってくるということです。
この表で比較すると、納税額(コスト)が一番少ないのは、手法②の親子間売買で、800万円になります。
しかし手法②だと、親子間で売買をするので、子供がお父さんに4,800万円も支払う必要があり、実務上、現実的でないことが多いです。
手法③の自己株スキームは、納税額(コスト)が4,900万円と大きくなりがちなので、基本的にはあまりお勧めできないことが多いです。
したがって、実務上は、手法①の贈与か手法④の持株会社スキームとなることが多いです。
ちなみに、今回の事例は、最もシンプルな、基本中の基本になります。
実際には、合併などの組織再編が絡むこともあり、際限なく複雑になります。
なお、分かりやすくするため、かなりザックリとした計算をしておりますのでご留意ください。
一番下の「合計・(納税額)」と書いてある金額が、それぞれの手法を用いたときにかかる納税額(コスト)となります。
今回の事例紹介で私が最も言いたかったことは、スタートとゴールは同じでも、そこまでにどの道を通るかによって、かかる税金(コスト)が結構変わってくるということです。
この表で比較すると、納税額(コスト)が一番少ないのは、手法②の親子間売買で、800万円になります。
しかし手法②だと、親子間で売買をするので、子供がお父さんに4,800万円も支払う必要があり、実務上、現実的でないことが多いです。
手法③の自己株スキームは、納税額(コスト)が4,900万円と大きくなりがちなので、基本的にはあまりお勧めできないことが多いです。
したがって、実務上は、手法①の贈与か手法④の持株会社スキームとなることが多いです。
ちなみに、今回の事例は、最もシンプルな、基本中の基本になります。
実際には、合併などの組織再編が絡むこともあり、際限なく複雑になります。