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マイホーム売却の税金④

マイホーム売却の税金④

マイホーム売却の税金は、お得なルールが山盛りあります。

逆に「知らなきゃ損する」という可能性が結構あるので、マイホーム売却の折にはぜひご確認ください。

全4回に分けておおくりしてきました「マイホーム売却の税金」について、今回は最後の4回目です!

ちなみに、細かいことは全て省いていますので、正確な計算は税理士にご相談ください。

マイホーム買換え損失の損益通算特例

ではいつものように、まず土地建物の譲渡所得税の計算算式のおさらいから。

① 売却金額 - ( 譲渡費用 + 取得費 ) = 譲渡益
② 譲渡益 - 特別控除 = 譲渡所得
③ 譲渡所得 × 税率 = 譲渡所得税

まず①で利益を算出して、
②でお得なルールを適用し、
③で税率を掛け算します。

この②のお得なルールである「特別控除」として、前々回の記事で「マイホーム売却の3,000万円控除」をご紹介しました。
さらに前回の記事で「マイホームの買換え特例」という、譲渡益を大幅に繰り延べる特例をご紹介しました。

しかし、この2つの特例はどちらも、譲渡益が出た場合に税金が少なくなる特例です。
じゃあ、地価が下がって譲渡損失(赤字)になった場合には何もないのか?

例えば、こんなケース。
売却金額(2,000万円)-{譲渡費用(100万円)+取得費(3,400万円)}=譲渡損失(▲1,500万円)

このように譲渡損失が出た場合に、使えるお得なルールが、今回ご紹介の「マイホーム買換え損失の損益通算特例」です。

「損益通算」という言葉が出てくるのですが、この「損益通算」の説明を「マイホーム売却の税金①」の記事でしておりますので、ぜひこちらもお読みください。
本日の内容がより分かると思いますのでお勧めです。

なお今のところですが、「マイホームの買換え特例」はマイホームを令和3年12月31日までに売った場合に適用されます。


「損益通算」について分かる、過去記事「マイホーム売却の税金①」へ

損益通算と損益通算の特例について

こちらの図は、「マイホーム売却の税金①」の記事でもご紹介いたしました、所得税の基本の仕組みを示した図です。

ここでの「損益通算」とは、それぞれの所得分類(例えば、給与所得や事業所得)ごとに計算された所得金額のプラス・マイナスを相殺することを言います。
例えば、給与所得が500万円で事業所得がマイナス100万円の赤字の場合、損益通算(相殺)すると合計所得は400万円になります。

しかし通常「損益通算」は、決められた所得分類でないと適用することができません。
上記の図で、損益通算の四角枠から左に繋がっている所得同士(給与所得から配当所得まで、配当所得から上場株式等の譲渡所得まで)でのみ通算(相殺)可能です。

つまり、マイホーム売却時に関係することこととなる、上記図の黄色の「土地等の譲渡所得」では、通常「損益通算」はできません。

ここで、この通常ルールを吹き飛ばして「損益通算」させてくれるのが、今回のテーマであります「マイホーム買換え損失の損益通算特例」です。

マイホーム売却時には、数千万円単位で、譲渡損失(赤字)が出ることもよくあります。
もし年収が数百万円くらいのサラリーマンの方で、数千万円の譲渡損失が出たら、所得税・住民税が数年無税になります。

具体例

例えば、年収600万円くらいのサラリーマンが、令和3年中にマイホームを売却したことで、1,500万円の譲渡損失(赤字)になったケースを考えます。

このケースだと、上記図のように令和3年分は、給与所得(430万円(注))とマイホーム売却の譲渡損失1,500万円が損益通算(相殺)されて、所得税・住民税は無税です。
(注)年収600万円くらいのサラリーマンの給与所得は、なんやかんやの計算があって、430万円くらいになります。

令和4年分は、上記図の令和3年分の下の赤い✖部分が、だるま落としのようになくなり、譲渡損失の繰越残額は1,070万円(1,500万円-430万円)となります。
令和4年分の給与所得も430万円なので、譲渡損失の繰越残額と損益通算(相殺)されて、令和4年分も所得税・住民税は無税です。

令和5年分も、同様に所得税・住民税は無税。

令和6年分は、譲渡損失の繰越残額が210万円、給与所得は430万円なので、損益通算(相殺)しても給与所得の方が多いため、令和6年分は合計所得220万円(430万円-210万円)に所得税・住民税が課税されることになります。

ちなみに、給与年収600万円で独身だったとすると、所得税・住民税は約50万円くらいです。
つまりこのケースだと、少なく見積もっても4年合計で150万円くらいの所得税・住民税の節税となります。

要件

要件についてはいつものとおり、国税庁ホームぺージを確認のうえ、税理士に相談すべきなのですが、主なものをざっくりご紹介いたします。

・マイホームを売るとともに、新しいマイホームを一定の要件を満たした住宅ローンを借りて買う
・売るマイホームは、5年超所有している
・マイホーム売る人の、合計所得金額が3,000万円以下


実際の計算

この特例も実際の計算はかなり複雑ですので、節税額シミュレーションは税理士に頼まないと難しいです。

したがいまして上記でもお伝えしましたとおりですが、次の条件を全て満たす場合には、ぜひ税理士に「マイホーム買換え損失の損益通算特例」を考えているとご相談ください。
・5年超所有したマイホームの売却で譲渡損失になりそう
・新しくマイホームを買う
・新しくマイホームを買うのに返済期間10年以上の住宅ローンを借りる
・マイホーム売却以外の収入金額は、一般的な範囲内だと思う

マイホーム売却損失の損益通算特例

ちなみにこちらの「マイホーム売却損失の損益通算特例」は、上記でご説明いたしました「マイホーム買換え損失の損益通算特例」と違い、新しくマイホームを買わなくても適用できる特例です。

ただ要件として、売却したマイホームに住宅ローンがついており、売却金額より住宅ローン残債の方が多いことが必要となっています。

つまり、マイホームを売却して得たお金で住宅ローンを返済しても返済しきれず、借金だけが残った場合にのみ適用することができます。

なかなかレアケースかと思いますので、ここでは詳細は割愛いたします。

もし要件を満たす可能性がある場合には、国税庁ホームぺージをご確認のうえ、税理士にご相談ください。

本日は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。


国税庁ホームぺージ「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」へ