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マイホーム売却の税金③

マイホーム売却の税金③

マイホーム売却の税金は、お得なルールが山盛りあります。

逆に「知らなきゃ損する」という可能性が結構あるので、マイホーム売却の折にはぜひご確認ください。

全4回くらいに分けるつもりです。

今回はその3回目です!

ちなみに、細かいことは全て省いていますので、正確な計算は税理士にご相談ください。

マイホームの買換え特例

ではまず、土地建物の譲渡所得税の計算算式のおさらいから。

① 売却金額 - ( 譲渡費用 + 取得費 ) = 譲渡益
② 譲渡益 - 特別控除 = 譲渡所得
③ 譲渡所得 × 税率 = 譲渡所得税

まず①で利益を算出して、
②でお得なルールを適用し、
③で税率を掛け算します。

この②のお得なルールである「特別控除」として、前回の記事で「マイホーム売却の3,000万円控除」をご紹介しました。

今回ご紹介する「マイホームの買換え特例」は、前回の「マイホーム売却の3,000万円控除」と比べて、要件が厳しい代わりに適用年の節税効果をより高くできます。

なお今のところですが、「マイホームの買換え特例」はマイホームを令和3年12月31日までに売った場合に適用されます。

大事な要件

大事な要件は、ざっくり2つ
①マイホームを売るとともに、新しいマイホームを買う
②売るマイホームは、10年超所有して10年以上住んでいる

「マイホーム売却の3,000万円控除」は要件が甘く、かなり乱暴な言い方ですが、マイホーム売却であれば大体使えました。
しかし、この「マイホームの買換え特例」は、所有(居住)期間の要件と、新たにマイホームを買うという要件が必要です。

要件が厳しい分、場合によっては譲渡所得を3,000万円以上繰り延べることができます。

ここで、「譲渡所得を繰り延べる」と表現したのですが、この特例は譲渡所得が非課税となるわけではありません。
これも「マイホームの買換え特例」の重要なポイントです。

「マイホームの買換え特例」により課税されなかった金額は、新たに買い換えたマイホームを売った時に、課税されることになります。
次で詳しくご説明いたします。

譲渡所得を繰り延べるとは①

「譲渡所得を繰り延べる」とは、こちらの図のとおりです。
なお図に登場する金額は説明を簡潔にするため、「譲渡所得の繰延べ」以外の要素(経年劣化による価値減少など)はないものとしています。

まずマイホーム①を1,000万円で買って、10年超所有して10年以上住みます。
10年超経った時に、マイホーム①の地価がめちゃくちゃ上がっていて、5倍の金額(5,000万円)で売れたとします。

本来であれば、マイホーム①の売却については、売却金額(5,000万円)-取得費(1,000万円)=譲渡益(4,000万円)に課税されますが、ここでマイホーム②を買ったとします。
マイホーム②は、マイホーム①の売却金額(5,000万円)と、さらに2,000万円を手許から出して、7,000万円の大豪邸を買いました。

すると、マイホーム①を売却したことで発生した譲渡益(4,000万円)は、一旦課税されず、課税が繰り延べられることになります。

譲渡所得を繰り延べるとは②

7,000万円でマイホーム②を買った後、死ぬまで住み続ければ、これで終わりなのですが、もしマイホーム②を売却してしまった場合、マイホーム①を売却した時に繰り延べられていた4,000万円がやってきます。

マイホーム②は7,000万円で買って、8,000万円で売却しているので、実際の譲渡益は1,000万円ですが、繰り延べられていた4,000万円が足され、課税される税務上の譲渡益は、5,000万円(1,000万円+4,000万円)となります。

選択適用

ここで重要なことは、前回の記事でご紹介いたしました「マイホーム売却の3,000万円控除」と今回ご紹介の「マイホームの買換え特例」は両方一辺に使うことができないということです。
どちらか一方を選択して適用することになります。

したがいまして、ざっくりとした考え方ですが、

譲渡益が3,000万円以下 → 「マイホーム売却の3,000万円控除」(注)

譲渡益が3,000万円超  → 新しくマイホームを買い換える → 新しく買ったマイホームに死ぬまで住む予定 → 「マイホームの買換え特例」を検討

となります。

(注)譲渡益が3,000万円以下の場合でも、国民健康保険料を払う場合には、「マイホームの買換え特例」も検討する余地があります。


その他の要件

その他の要件もたくさんあります。
詳細は国税庁ホームぺージを確認のうえ、税理士に相談すべきなのですが、主なものをざっくりご紹介いたします。

・売却したマイホームの売却価格が1億円以下
・マイホームの売却年の前年1月1日から翌年12月31日の3年の間に新たなマイホームを買うこと
・新たに買ったマイホームに一定の期限までに住みだすこと


実際の計算

実際の計算はかなり複雑ですので、シミュレーションも税理士に頼まないと難しいです。

したがいまして上記でもお伝えしましたとおりですが、次の条件を全て満たす場合には、ぜひ税理士に「マイホームの買換え特例」を考えているとご相談ください。
・10年超所有して10年以上住んだマイホームの譲渡益が3,000万円超ある
・新しくマイホームを買う
・新しく買ったマイホームに一生住む予定

本日は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。